• ARTICLE

C子とS夫のお悩み相談室「基礎編 カットデータの作り方 ~入稿前に要チェック!3つのポイント」

今回のC子の悩みは・・・?

C_namida
C子:うーん、うーん、ううーん。


S夫_疑問
S夫:どうしました? C子さん、さっきから唸っちゃって。


C_tara
C子:実は、友人のギャラリーのエントランス装飾をカッティングシートでやりたいんですけど、これで大丈夫かなぁと心配なんです。


S_jito
S夫:これみよがしに困って、僕に相談しようとしていますね。


C子_おすまし
C子:さすがはS夫さん、鋭い!


S_jito
S夫:それほどでも。ん? 前にも似たような展開があったような・・・


C子01
C子:「基礎編 シート選び」に続く、「C子とS夫のお悩み相談室」の第二弾ですよ~!



ギャラリーのエントランスを装飾する

C子01
C子:こちらがギャラリーです。黒く見えている部分は全面ガラスで、そこにギャラリーのロゴと2階にオープンするカフェの営業時間も入れたいんです。


S夫_びっくり
S夫:ふむふむ。


C子01
C子:全てカッティング貼りで、色数は3色にしようと思います。


S夫01
S夫:なるほど。3色展開なら、費用もさほどかからないでしょう。


C子_元気
C子:そのあたりは、前回の「お悩み相談室」を読み直しました。


S夫_元気
S夫:よしよし。学習しましたね、C子さん。


 
 

初心者がミスしやすい3つのポイント

▲ C子が入稿しようとしていたデータ

 

S夫01
S夫:パソコンで、C子さんがIllustratorで作ったデータを開きました。


C子_おすまし
C子:きれいに作っているでしょ。


S夫01
S夫:いえ、問題ありです。見た目にはわからないけど、カッティング加工を前提とした「カットデータ」になっていませんね。


C子_疑問
C子:というと?


S夫_疑問ハテナなし
S夫:初心者が見落としがちな3つのポイントができていません。残念でした。


check 初心者がミスしやすい カットデータ3つのポイント

①データのゴミ  
②アウトライン化 
③パスの合体

 

S夫_おすまし
S夫:1つずつ見ていきましょう!


C子_元気
C子:お願いします!


 
 

ポイント①「データのゴミ」を消す

 

S夫01
S夫:いわゆる「データのゴミ」は、「すべてのオブジェクトを選択」で確認できます。


C子_びっくり
C子:いま、何かショートカットキーを押しましたよね。


S夫_おすまし
S夫:すべてのオブジェクトを選択[command⌘]+[A]キーが便利です。ほらほら、ゴミがいっぱい出てきましたよー。


C_tara
C子:ううう、見たくないよぅ。


S夫_おすまし
S夫:現実を直視しましょう、C子さん。


▲ S夫が「ゴミだらけ」と指摘したC子の入稿データ

 

S夫01
S夫:おそらく、文字や図形(オブジェクト)を描きかけたのを消し忘れて、残ったままのデータですね。


C子01
C子:あ~、そうか、そうでしたー。


S夫01
S夫:このような不要なパスのデータが残っていると、カット時にカッティングプロッターがパスデータを拾って、そのまんまカットしちゃうんですよ。


C子_びっくり
C子:それは困ります!


S夫_おすまし
S夫:常日頃から、こまめな掃除を習慣付けましょうね、C子さん。


C_tara
C子:はい・・・。


S夫_元気
S夫:ちなみに、この後で説明する「アウトラインプレビュー」でも、ゴミの有無は確認できます。


check ポイント①
 「データのゴミ」を消す

関係のないデータは削除すること!


確認方法

すべてのオブジェクトを選択[command⌘]+[A]で必要のないオブジェクトがないかを確認。

 

 
 
 

ポイント② 文字や図形の「アウトライン化」

 

C子_疑問
C子:ポイント②は「アウトライン化ができていない」でしたよね。


S夫01
S夫:はい。言い換えると、テキストや図形の「パス化」ができてないんです。データを、アウトラインプレビュー[command⌘]+[Y]すると確認できます。まずは、ダメな例を見てみましょう。


 
dame_01
 

C_tara
C子:アウトラインプレビューで見てみると全然違いますね。


S夫01
S夫:「アウトライン化」には主に3種類あります。


check-green テキストのアウトライン化

メニュー > [書式] > [アウトラインを作成]

check-green パスのアウトライン化

メニュー > [オブジェクト] > [パス] >
[パスのアウトライン]

check-green アピアランスの分割

メニュー > [オブジェクト] > [パス] > 
[アピアランスの分割]

 

C子_疑問
C子:ぐぬ。結構あるんですね。


S夫01
S夫:テキストやパスのアウトライン化はわかりやすいですが、アピアランスの分割は馴染みがないかもしれません。
オブジェクトに「効果」を適用させている場合に、「アピアランスの分割」が必要になります。[command⌘]+[Y]でみるとわかりますが、「効果」は見た目を変えているだけで、パスデータ自体は元のままです。


C子_びっくり
C子:なるほど。


S夫_元気
S夫:「効果」をパスデータにするのが「アピアランスの分割」です。では先ほどの例を、ちゃんとアウトライン化すると・・・・・・。


 
yoirei_01

 

C子_びっくり
C子:おお!狙い通りの図形になっている。


S夫01
S夫:ちゃんとアウトライン化できているかを確認するには「アウトラインプレビュー」が非常に役立ちます。覚えておきましょう。


C子01
C子:はい!これなら重なってるゴミもすぐ見つけられますね。


check ポイント②
文字や図形の「アウトライン化」

・テキストのアウトライン化 
・パスのアウトライン化 
・アピアランスの分割


確認方法

アウトラインプレビュー[command⌘]+[Y]で狙い通りのパスデータになっているかを確認。

 

 
 

ポイント③「パスの合体」

 

C子_疑問
C子:もうひとつ、「パスの合体」ができていないんでしたよね。


S夫01
S夫:これもありがちなミスです。黄色の階段状の図形はどうやって作りましたか?


C子01
C子:正方形を1つ作って、コピーして、重ねましたけど・・・?


dame02▲ C子が個々の正方形をコピーして作ったデータ

 

S夫_おすまし
S夫:作り方は合ってます。その個々の図形を、最終的に合体させないといけません。


C_tara
C子:(恐る恐る)合体しないで入稿すると、どうなります?


S夫01
S夫:データどおり、正方形のまわりに切り込みが入った状態でカットされちゃいます。


C_namida
C子:ぎゃー!


S夫_おすまし
S夫:大丈夫。合体は簡単です。アウトラインプレビューでも確認できます。


yoirei_02▲ パスファインダーで合体すると...狙い通りのパスに!

 

check ポイント③
 「パスの合体」

複数のパスで構成した図形は最後に「合体」させる


check-green パスの合体方法

メニュー > [ウィンドウ] > [パスファインダー] を表示 > [合体]

確認方法

アウトラインプレビュー[command⌘]+[Y]で狙い通りのパスデータになっているかを確認。

 

 
 

3つのポイント手直し完了!

▲ 手直しが完了した入稿データ

 

C子_元気
C子:修正したデータを、アウトラインプレビューで確認しました。いかがでしょうか。


S夫_元気
S夫:図形が一筆書きのように見えていますね。これでOKです。入稿できます。


C子01
C子:ばんざーい!


S夫01
S夫:参考までに、どちらに入稿する予定でしたか?


C子01
C子:某Tハンズさんあたりに。


S夫_おすまし
S夫:問題ないです。昨今は、手軽にシート出力できるところが増えましたよね。


C_tara
C子:遠い目をするS夫さんです。


S夫_元気
S夫:どこであれ、印刷する側は、正しいカットデータかどうかまでは確認しませんから、きちんと作らないといけません。


C子_元気
C子:肝に銘じました! 先生、またよろしくお願いします!


S夫_疑問
S夫:なんのこれしき。ん? ということは、続くんですね・・・この企画。


check まとめ

ポイント① 「データのゴミ」を消す


ポイント② 「アウトライン化」する

・テキストのアウトライン化 
・パスのアウトライン化 
・アピアランスの分割

ポイント③ 「パスの合体」

 
 

▲