- 2020.02.10
- 2019.01.08
CSデザインセンターがリニューアルオープン!
「シートの全て」がわかる! 新しい中川ケミカルのショールームはどこが変わった?
待望のリニューアルオープン
中川ケミカルのショールーム、CSデザインセンターが、2018年11月19日にリニューアルオープンしました。常設の商品展示が2つ加わり、さらに利用しやすく、細かなニーズにも対応できるようになりました。
新しく設けた2つのコーナーについて紹介する前に、そもそもCSデザインセンターとはどのような経緯で誕生したのか、どのような設備があるのかを今いちど確認しておきましょう。
大規模リニューアルは約10年ぶり
CSデザインセンターのオープンは2007年、中川ケミカルにとって初となるショールームでした。全てのシート素材を展示して、多彩な色にまずは接してもらい、さまざまにシミュレーションすることで、使い手のインスピレーションを触発し、シート素材の新たな可能性を切り拓いていく場の創出を目指しました。
▲ カラープレート
2007年オープン時の内観。それまではブック形式の見本帳に貼られた小さいチップサンプルしかなかったが、B5サイズの透明アクリル板に装飾用シートを貼ったカラープレートを用意。館内に一歩、足を踏み入れた瞬間にシートの多彩な美しさが際立つようにレイアウトされている。(空間デザイン:エマニュエル・ムホー アーキテクチャー + デザイン、Photo:© Hidehiko Nagaishi)
▲ ライティング・ラボ
シート素材が光源を通した際にどのように見えるのかを体験できる。複数枚を重ねることも可能。現在は22種類の蛍光灯、19種類のLED、7種類の白熱球が常設で用意されている。(空間デザイン:エマニュエル・ムホー アーキテクチャー + デザイン、Photo:© Hidehiko Nagaishi)。
▲ ギャラリー
2007年のオープン以来、ギャラリーでは、建築家、デザイナー、写真家、アーティストらとのコラボレーション企画によって、シート素材の新しい可能性を切り拓いてきた。
リニューアルで2つの常設コーナーが誕生
オープン当初からあるカラープレートとライティング・ラボは、これまでどおり利用できます。ギャラリーでの企画展も継続する予定です。今回のリニューアルで新たに加わったのは2つ、「カットサンプル」と「デザインサンプル」のコーナーです。
▲ リニューアル後のショールーム内観
NEW! 充実した「カットサンプルコーナー」
1966年の発売開始から今年で52年、IROMIZUやマテリオなどのさまざまな素材が加わって現在、約800以上のアイテム数になっています。「カットサンプル」のコーナーでは、全種類のシートのサンプルをB6サイズで用意しました。(一部製品はB6サイズより小さいものもございます。)
▲ 新設された「カットサンプル」と「デザインサンプル」のコーナー。
▲ B6サイズのカットサンプルは持ち帰り可能。
全種類のシートを総覧できるようにしたのは、今回が初めて。見本帳のチップサンプルではなかなかわかりにくかった、発色や透過の具合も含めたシート本来の色の確認や比較が、これで容易になりました。イメージを手にとって、触れてみることで、「こんなシートがあったのか」という新たな出会いや発見があるかもしれません。
▲ 「デザインサンプル」は「カットサンプル」の下の引き出しに格納されている。
NEW!「デザインサンプル」シートの組み合わせや使い方を知る
頭の中になんとなくイメージはある、あるいはCGによるイメージ画がある。けれども、これをシートで実現するにはどうしたらいいの? そんな疑問にお答えすべく、今回新たに取り揃えたのが「デザインサンプル」です。素材それぞれの特性を生かした、実践的なバリエーションが一目でわかります。
幾つかの例を写真で見ていきましょう。
▲ かさねの表現
IROMIZUをかさねた色をシミュレーションできる。
▲ かさねの表現
透明シートに青のグラデーションをプリントしたシート、ストライプ模様をプリントしたシートをかさねた場合の見え方。
▲ レイヤー表現
ミラー仕様のシートをアクリルの裏側から貼り、表側に透明の白のIROMIZUを貼る。もう一枚のアクリルの表側には四角にカッティングした白のシートを貼っている。かさねることでミラーに四角が反射し、アクリル板の厚みの分だけ奥行き感が生まれる。ミラーに白のIROMIZUを貼ることで全体にパールホワイトがかった上品な仕上がり。
▲ レイヤー表現
ミラー仕様のシートをアクリルに貼ったものと、青のドットを貼った上に同じ大きさでミラーのドットをかさね貼りした場合。かさねることで下に貼ってある青のドットがミラーシートに反射して見える”チラリズム”効果。
▲ レイヤー表現
アクリルの表に青と赤のシートをカッティング貼り、その上から同じカッティングで白のシートをかさね貼り。アクリルの裏側に白のシートを貼ることで青と赤の色が白に反射して人物の影が浮かび上がって見える。
▲ 「グロス&マット」のデザインサンプル。
2種類のシートを重ねて貼り、文字の部分を抜けば、表面にあらわれるテクスチャーの違いだけで品のあるグラフィック表現に。
いかがでしょうか。上の写真でのサンプル以外にも、複数のシート素材を組み合わせた場合にどのような視覚効果が得られるのか、今回のリニュアールによって、いろいろと試しながら、施工後のイメージを掴みやすくました。
インクジェット出力のサンプルも用意
今日の装飾用シートは、切って貼るだけの表現にとどまらず、出力媒体としても有効です。ギャラリーでの過去の企画展、「気配」kehai展(2013)や「透きとおる風景 ink jet×Foglas001A」展(2010)において、写真家の作品をFoglasにインクジェット出力して、高精細で再現できることは実証済みですが、改めて今回、溶剤インクジェットの印刷適性サンプルも数種類、用意しました。
▲ 溶剤インクジェット印刷適性のサンプル。
インクののり具合、高精細なシートの再現力、グラデーションを施した場合のなめらかさ、極細線のシャープさなどを1枚にまとめたもの。
社内のノウハウをオープンに
これらの表現は、特殊なものではありません。とはいえ、中川ケミカルがこれまで蓄積してきたノウハウの一部であることは事実です。営業のカバンの中、デザイナーのパソコンの中にしまいこまれていたこれらのノウハウを、誰が見てもわかるようにフォーマット化し、サンプルとしてショールームに常設することで、社内外を問わずに広く共有できるようにしたのは、メーカーを問わずに応募できるCSデザイン賞の理念にも通ずる、シート表現の新たな可能性を切り拓き続けていきたいという願いのあらわれ。ショールームにおいて自社の商品をただ見せるのではなく、情報をシェアして、発展させていくことが、これからのメーカーには求められる社会的責任ではないでしょうか。
進化するCSデザインセンター
「シートを貼る時が夏か冬か、気温や湿度の違い、シートを貼る面の材質によっても、施工方法は変わってきます。貼る前に一言、確認してくれたら、もっときれいに仕上ったのにという悔しい思いをしたことが、自社の現場以外でも、実は何度もあります」ーーそう語るのは、CSデザインセンターのデザイナーの一人。そんな経験から今回、新設されたのが「アドバイスサービス」です。
▲ 受付カウンターに頼りになる「助っ人」が常駐
今回のリニューアル以降、受付カウンターに、シート素材の長所も短所も知り尽くした営業スタッフが常駐しています。使い手の実現したい内容に応じた、シートの組み合わせ、価格帯、細かな加工の可否や施工方法について、最適と思われるアドバイスを行ないます。イメージに近い施工写真を、過去の事例から探し出して提示することも可能です。事前に来館予約をしておけば、ご利用は確実です。
「お客さまの頭の中にあるアイデアを実現するお手伝いをするのが、私たちの仕事です。ぜひ、新しくなったCSデザインセンターに足を運んでみてください。そして、どんなことでもいいので、疑問に思ったことは何でも気軽にお尋ねください。お客さまとのやりとりが、新たなノウハウが育成される場となります。そして、私たちを超える”シートの使い手”になってください。ご来館をお待ちしています」(CSデザインセンター、スタッフ一同)。
CSデザインセンター
http://www.csdc.jp/