- 2020.08.07
- 2017.08.03
C子とS夫のお悩み相談室『基礎編 素材選び 〜夏だ!セールだ!カッティングシートだ!編』
C子:うーん、うーん、ううーん。
S夫:お腹でも痛いんですか? C子さん。
C子:頭がイタイんです。商業店舗を営んでいる友人から季節限定でウィンドウ装飾を頼まれまして。
S夫:これみよがしに困って、僕に相談しようとしていますね。
C子:だってタイトルは「C子とS夫のお悩み相談室」ですから。
S夫:カッティングシートに限ったお悩みごとにしてくださいネ。
▲ 店舗イメージ
C子:こちらがそのお店です。路面店で、全面ガラスになっています。
S夫:あれっ? 食べもの屋さんじゃないんですね。
C子:ハイセンスな器や衣類をとり揃えたセレクトショップです。いけませんでしたか?
S夫:いやいや、全くもって別に。いやー、すてきなお店ですねー。
C子:おしゃれな店の雰囲気のじゃまにならないように、半期に一度のセール告知をしたいんです。
S夫:期間限定なら、貼ってはがせる装飾用シートがおススメです。
C子:ですよね。デザインを考えたので、みてもらえますか。
▲ C子のIROMIZUを使ったデザイン図面
▲ 施工イメージ
C子:セレクトショップのイメージを壊さないように白だけでシンプルにしました。花火をモチーフにしたデザインで夏らしさを表現して、控えめに「サマーセール」と告知しています。
S夫:ふむふむ。
C子:「IROMIZU」の白を使って、花火の部分を3段階の濃淡で表現したいのですが、どうでしょう?
S夫:展示の期間はどれぐらいですか?
C子:2ヶ月ぐらいです。
S夫:ふむふむ。これなら弊社のカッティングシートで実現できますが、うーん、「IROMIZU」ですか・・・。素材を選びなおした方がいいかもしれませんねー。
C子:えー!
S夫:では、製品の特徴を確認しながら、どんな素材がいいか一緒に検討してみましょう。今回の条件は、・期間 2ヶ月 ・白色透明色 ですね。
透明色シートのバリエーション
■ 5つの製品の比較表
S夫:透明色の表現だと、上の表の仕様が考えられます。
C子:おお、わかりやすい!
S夫:まず「IROMIZU」は耐候性が高いので、設置期間が長いものに向いています。なので、今回はオーバースペックですね。また細かいカッティング貼りより、ベタに貼る面積が大きい場合に使われることが多いですね。
C子:むむ。そうですか。
S夫:予算があれば、贅沢に使ってしまう手もありますが?
C子:ないです!
S夫:では他の素材も見てみましょう。
▲ 「IROMIZU」の施工例
「Sign & Display Show 2008」 中川ケミカルブース
S夫:「タフカル」も選外ですね。これも設置期間の長い社屋のロゴ看板や、地下鉄の地上出入口のサインに使われることが多い、toughnessなシートです。
C子:これも、短期装飾にはもったいないということですね。
▲ 「タフカル透明色」の施工例
第18回CSデザイン賞優秀賞 「東京ミチテラス2012 STARLIGHT WALK」
C子:「C-001A」って、どんなシートでしたっけ?
S夫:「C-001A」はFoglasシリーズの中にある無色透明の出力専用シートです。下の画像のように写真やイラストなどのデザインをそのままプリントできる、透明シートです。透明度が高いので貼った感じが少なく、ガラス面が綺麗に見えます。ただし値段が高いので今回はなさそうです。
▲ 「C-001A」の施工例
CS DESIGN CENTER企画展「気配展」2013年 青山裕企(写真)/ SORA Synesthic Design Studio(五感演出)/ 渡邊俊博(会場構成)
C子:同じ無色透明出力専用シートの「002C」は?
S夫:こちらは「C-001A」よりも透明度が低い分安価なシートです。
▲ 「002C」の施工例
六甲ミーツ・アート 近藤正嗣 「晴天の雨粒」
S夫:ちなみにこの作品は、当初は「C-001A」を使用する予定でしたが、天井に貼るため透明度は気にならないということで「002C」に変更になりました。
C子:なるほど〜。予算カットにもなっていいですね。
S夫:あとは、ワークショップなどでよく使用される「CS透明色」です。簡単に貼ってはがせるので今回のような短期装飾にも向いています。
▲ 「CS透明色」の施工例
六甲ミーツ・アート 曽谷朝絵 「鳴る色」 /撮影: 高嶋清俊
S夫:以上が透明色で表現するときに考えられる素材ですね。ここで一度まとめてみましょう。
今回のデザインに最適なシートは?
S夫:やはり長期設置に向いている素材は省きましょう。ということで、今回のウィンドウ装飾に最適なのは、カッティングシートの透明色か、予算次第では002Cも候補になります。
C子:なるほど!こうして見るとどのシートがデザインに向いているのかがわかりますね。
S夫:さらに「2つの候補」のメリットとデメリットを比較・検討してみましょう。
C子:せっかく考えたし、白の濃淡を生かしたデザインで、花火らしさを出したいけど、中の商品が綺麗に見えないのは困りますね。どうしようー。
S夫:では、費用の面から考えてみましょうか。気になるお見積りです。
■ 見積もり比較
S夫:うーん、どちらもほとんど変わらないですね。
C子:でも、少しだけCS透明色の方がお安い。うむむ、花火のパーツはカッティング貼りで表現したいので、CS透明色にしようかなー。
S夫:CS透明色は単色ですから、白の濃淡で表現しようとしていたデザインを変えないといけませんけど?
C子:そのほうが、貼るガラスの透明度が生かせますし。今回は同じ白で揃えて、CS透明色の乳白712を採用します!
S夫:採用、ありがとうございます。
▲ CS透明色(乳白712)を使った時の施工イメージ
S夫:乳白だとこんな感じですかね。どうですか?
C子:大丈夫、ほぼイメージどおりです。夏の夜に白い打ち上げ花火、たーまやー!!
S夫:かーぎやーーあ、そうそう。花火といえば職人の仕事。こちらの職人の人件費は別途でみといてくださいね。
C子:はっ、忘れてました。おいくらマンエンですか?
S夫:一日一人あたり2.5~3万円くらいかな。
C子:商業店舗なので、貼って、剥がすのは閉店後の夜に作業したいです。朝までに終わりますか?
S夫:どちらも余裕です。慣れた職人なら、1時間あれば一人でも貼れちゃいます。
▲ CS DESIGN CENTER
C子:S夫さんがいるCS DESIGN CENTERには、こういう相談はよくあるんですか?
S夫:これってシートでできる?という相談がほとんどですね。なんでも聞いてください。
C子:すごい、S夫さん、頼りになるぅ。
S夫:おっほん。見なおしましたか?
C子:見慣れたドヤ顔が、今日はかっこよく見えます! またよろしくお願いします!