- 2020.08.07
- 2016.11.07
C子とS夫、再び西へ!「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」レポート
C子:1年振りの神戸です。
S夫:9月14日から開催中の「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」に、今年から展示協力しております。招待作家の近藤正嗣さんと曽谷朝絵さんにシートを使っていただきました。
C子:昨年もレポートした「六甲ミーツ・アート」は今年で開催7回目。関西ではすっかり定着しているイベントです。
S夫:《六甲枝垂れ》など、六甲山に点在する9つの施設が会場になっていて、自然とアートを一緒に満喫できるのが人気なんです。
C子:まさに芸術散歩。
S夫:C子さんにはさぞかし良い運動になることでしょう。
C子:S夫さんにも。
S夫:六甲ケーブル下駅のウェルカムサインです。
C子:階段の蹴込み部分にシートが貼られています。
S夫:ここから約10分、山頂の駅舎は昭和7年竣工、アール・デコ様式の名建築です。
C子:神戸港を一望する天覧台に着きました。
S夫:昭和天皇も堪能された見事な眺め。
C子:関西出身のS夫さん、お詳しいですねー。
S夫:(おほん!)まずはこちらのカフェに寄りましょうか。
C子:わーい♪
S夫:休憩は「TENRAN CAFE」で展示中の近藤さんの作品を鑑賞してからですヨ。
C子:テラス席の卓と、アプローチの路面が作品のキャンバスなんですね。
S夫:近藤正嗣さん《晴天のアメ》です。言っときますが、飴ではありません。
C子:雨(Rain)でしたか。
S夫:雨が降った時に見られるさまざまな現象を表現した一連の作品です。路面にシートで描いた《晴天の水たまり》も、そこに在ることで自然を想像させてくれます。
▲ 近藤正嗣《晴天の水たまり》
C子:近藤さんのテキスタイルでも見られる独特の色あいですね。
S夫:インクジェット出力に、ミラー仕様など複数のシートを組み合わせて、水のキラキラ感を出しています。
C子:シートには見えません。
S夫:会期中の耐久、耐候性と、発色とのバランスが難しかったです。
S夫:水溜りって、大人は踏まないように避けて通るけど、子どもは逆ですよね。進んでバシャバシャと入って、楽しい遊び場に変えてしまう。
C子:でしたねぇ(遠い目)。
S夫:そんなワクワク感、雨上がりの空気や光の透明感をシートで表現できたと思います。欲を言えば、貼る面が平滑か、白いタイルだったら、もっと透明感を出せたかも。
C子:目地を撫でているS夫さんを置いて、カフェに入りましょう。
▲ 「TENRAN CAFE」店内
▲ 近藤正嗣《晴天の雨粒》
C子:「神戸森谷のミンチカツ・コロッケセット」がおいしそう。
S夫:こらこら、メニュー表は後にして、作品を見ましょうね。
C子:テキスタイルが吊られています。厨房側は絵柄あり、窓側は真っ白。
S夫:ふっふ。今は曇ってますからね、ただの白い布に見えるのですよ。
C子:ややっ? 白い布の表面に色が浮き出てきました!
S夫:天窓のガラス面にシートの水玉模様が貼ってあって、陽が射すと、下に色が落ちてくるのです。
C子:わぁぁ、きれい。光の染色ですね。
S夫:おっ、詩的なことを。《晴天の雨粒》では、お天気雨のキラキラした光、乱反射して室内に降り注ぐような光を、布とシートで表現しています。
S夫:シートあるいは布、それぞれ単独では表現できなかった光景です。
C子:布の隙間から落ちてくる光もきれい。
S夫:アートの力は、C子さんみたいな人の心と目もキラキラさせてくれます。
▲ 近藤正嗣《晴天の露》
S夫:窓ガラスにも2種類の”雨の痕跡”があるので、お見逃しなきよう。
C子:晴れているのに、ガラスに露がびっしりと思ったら、シートでしたか。
S夫:「雲の中の霧のような雨粒」を近藤さんがデザインして、FOGLASでカッティング貼りしました。
C子:すると、この輪っか状の水滴の真ん中に空いたちっさいマルは・・・・・・?
S夫:ひとつひとつ「カス取り」してます。
C子:うわぁ。
S夫:京都精華大学の学生有志の皆さん、お疲れ様でした(ぺこり)。
C子:対して、店の奥は大きな水玉模様。
S夫:弊社のデザイン、施工です。
C子:やっぱり。
S夫:円形部分は低反射仕様のシートです。日没後は店内の灯が写りこまず、ガラス越しでも美しい夜景を眺められるというスグレもの。
C子:撮影者自身が写り込まないのが良いですね、デートでも、お一人さまでも。
S夫:「六甲ミーツ・アート」ではフォトコンテストも開催中です。ハッシュタグをつけてどしどし投稿しましょう。
C子:優秀な投稿写真には主催者から金一封が出ますよ~。
C子:天覧台からバスで約8分、六甲高山植物園に移動しました。
S夫:アーティストの曽谷朝絵さんが、2つのインスタレーション《鳴る色》と《風の色》を展示中です。
▲ 《鳴る色》 /撮影: 高嶋清俊
▲ 《鳴る色》 /撮影: 高嶋清俊
S夫:2作品とも、ふだんは温室として使っているガラス室が会場です。
C子:育てている植物は、植物園の皆さんが移動してくださったそうで。
S夫:ガラス面に付着したナメクジ痕も含めてクリーニングしていただきました。
C子:うわあああ。シートの下地づくりへのご協力、心から御礼申し上げます。
S夫:日中の設営は中がむちゃくちゃ暑くて。作家さんと気合で乗り切りました。
▲ 《鳴る色》 スケッチ 提供:曽谷朝絵
S夫:曽谷さんが描いた「色が発する音の音符」をシートに出力して、ガラスの壁や屋根に貼っています。全部で13色、大小4パターンあります。
C子:さっき1枚渡されました。好きな位置に貼っていいと。
S夫:これから色が増えて、成長していくという作品ですから。
C子:どこに貼ろうかしら。S夫さん、肩車して・・・。
S夫:却下。「色の音符」は手の届く範囲に貼りましょう。
▲ 《鳴る色》 /撮影: 高嶋清俊
C子:《風の色》までは歩いて数分。森林浴をしながらの芸術散歩、気持ち良い♪。
S夫:こちらは六甲山に吹く風の流れをイメージした作品です。
▲ 《風の色》 /撮影: 高嶋清俊
S夫:《風の色》は、ブルー、黄、白の3色のIROMIZUと、ラミネート加工を施した偏光フィルムで構成されています。
C子:あれ? 緑とピンクのシートも使ってますよね?
S夫:いいえ。緑はブルーと黄のIROMIZUが重なった部分で、ピンクは白のIROMIZUに偏光フィルムを貼ることで見えてくる色です。
C子:なるほど。4種類のシートしか使ってないのに、実に多彩ですね。
▲ 《風の色》 /撮影: 高嶋清俊
S夫:この偏光フィルム、実は弊社の製品ではありません。
C子:他社製品とのコラボをサラっと激白。
S夫:曽谷さんからの提案で実現した、いわば《風の色》オリジナルシートです。
▲ 《風の色》 スケッチ 提供:曽谷朝絵
C子:曽谷さんは、前々回の「CSデザイン賞」で、シートを使った作品《鳴る光》で入賞されていますよね。
S夫:あれも全て他社製品でしたっけ。
C子:またサラっと言いましたよ。
S夫:いえいえ、表現に合わせて柔軟に使い分けて、シート表現の可能性を切り拓くことが肝要なのです。
▲ 《風の色》 /撮影: 高嶋清俊
S夫:10月29日からは「ザ・ナイトミュージアム」も始まります。
C子:植物園を含む2会場で、11月6日まで営業時間を延長。紅葉をライトアップ!
S夫:曽谷さんの2作品もライトアップされます。内側から光をあてるので、日中とはまた違った作品に。
C子:事前に公式サイトをチェックして、お得な割引サービスや、会期限定フードも味わい尽くしましょう!
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016
会期:9月14日(水)~11月23日(水・祝)
公式サイト:www.rokkosan.com/art2016/
公式FB https://ja-jp.facebook.com/rokkosan.rokkomeetsart/
作家公式サイト
曽谷朝絵:http://www.morning-picture.com/
近藤正嗣:http://hachibunno5.com/