- 2020.02.10
- 2016.12.12
薩摩川内市消防局防災研修センター
第19回 CSデザイン賞 中川ケミカル賞
薩摩川内市消防局防災研修センター
ディレクター/田中 利岳[(株)丹青社]
デザイナー/田中 利岳[(株)丹青社]
グラフィックデザイナー/魚岸 由佳/HR-FM
クライアント/薩摩川内市消防局
施工/(株)丹青社
フォトグラファー/林 巧
市民の災害対応能力の向上を促す為に、各種(地震、煙、初期消火、暴風雨、119番通報)の防災体験が出来る常設の研修センターの計画。
体験室毎に災害が持つ色味をモチーフとしたデザインとは違う、もっと根源的な思考で防災体験の質を捉えたいと考えた。
東日本大震災が齎したように、一発の巨大地震が呼び起こす無数の惨劇は、脈々と繋がっていることに震撼する脅威がある。
この脅威に対し、防災は連続的に迅速に対処していく事に意義があり、警戒心と心構えを体験を通して養う必要がある。
そこで、各災害体験室をぐるりと囲んで配置し、連続する体験室のガラスファサード面に、刻々と変容する災害の猛威を粒子の集合体としてあらわした。
又、この猛威に対抗し、警戒心や防災意識を案に意識させる為に、防災喚起色のイエローと、防護服や反射板に用いられるシルバーの2色を空間内に同居、追随させた。
災害に立ち向かう体験者と災害の連続的なオーバーラップを概観出来る体験室に囲まれたギャラリーでは、体験者がシーンの構成要素を担い、来館者は防災行為を表出するシーンの一環として実感する。
この「防災パノラマギャラリー」を、防災意識を喚起させる為の情景サインとして、来館者を出迎える手立てとした。