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LIGHT CUBE EXHIBITION ひらいて、むすんで ~解体と集合~【前編】

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出展作家について

LIGHT CUBE(ライトキューブ)は、テキスタイルデザイナーの林映奈氏と、木村順也氏が、2001年に設立したデザインユニットです。

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デザインに対するお二人の考え方について、事務所の公式サイトに掲げられた「メッセージ」を引用します。
あなたがうれしくなること。
みんなが楽しく生活すること。
人の文化に感動すること。
自然の恩恵を感じること。
時間の流れを楽しむこと。
私たち LIGHT CUBE は、日々の生活で出会う楽しくなることやうれしくなること、感動することをデザインを通じて考え続けています。

 

LC-02 (画像)アイカ工業株式会社 「+WONDER」ホームページより転載

LIGHT CUBEはこれまで、壁紙やテキスタイルのデザインだけでなく、新商品の企画やコンサルティングにも参画してきました。今年3月に開催された国際建材見本市「JAPAN SHOP 2014」では、建材メーカーから化粧板の新シリーズ「+WONDER(プラスワンダー)」を発表しています。

 

テキスタイル × カッティングシート = ???

今回の企画展「LIGHT CUBE EXHIBITION ひらいて、むすんで ~解体と集合~」は、LIGHT CUBEがテキスタイルや建材などで既に展開している6つのデザインを、いったん分解・再構築し、中川ケミカルの「カッティングシート」で表現してみたらどうなるのかを試みたものです。これまでに建築家、インテリアまたはプロダクトデザイナー、写真家との企画展は何度もありましたが、 テキスタイルの分野で活躍しているデザイナーとのコラボレーションは初めてでした。

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同じ絵柄なのに異なる表現

企画展会場の床を覆い、外からもよく見えた鮮やかなグラフィックは、2011年に発表したオリジナルブランド「LIGHT CUBE TEXTILE」のひとつ、「BUBBLE FLOWER」(Orange & Blue)です。

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本展では、化粧板やテキスタイルなどで展開中のグラフィックと、「カッティングシート(装飾用シート)」を使って 同じ絵柄をガラス上で再構成したものとを並べて配置しました。それぞれの表現の違いを見比べてみましょう。

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(左)ボックスにメラミン化粧板[アイカ工業(株)]を貼ったもの 
(右)シートで再構成されたガラスパーテーション

「WATER FALL」と名付けられたこちらの作品、向かって右側が、透明な装飾用シートに2種類のグラフィックをインクジェット出力したものを、ガラスの表と裏の両方から全面貼りしたものです。水の透明感と清涼感、作品のモチーフである滝のダイナミックさがより強く表現されています。
続いての作品は、金色のドットが美しい「FOUNTAIN」です。

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(左)壁紙[(株)テシード]のボックス (右)シートで再構成されたガラスパーテーション

左側の壁紙は本物の金箔押しで、古式ゆかしい寺社建築のような佇まいがありますが、表面に金ミラータイプ、裏面にディープゴールドのシートをカッティング貼りした作品では、その印象がガラリと変わりました。

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1センチほどのガラス板の厚みの分、表と裏に貼った丸(ドット)がずれて見えるので、化粧板や布にはない奥行きが出て、まるで仏像の頭髪(螺髪)のような立体感が出ています。
このように、カッティングシートを使った作品では、角度によって見え方が変化する、3次元的なグラフィックとなりました。

 

これらのパネル展示のほか、会場の床やガラス壁もカッティングシート(または装飾用シート)作品が覆っています。
▶続く【後編】では、施工場面をまじえながら詳しくご紹介します。

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